2020年7月の写真です。

 
 夜に散策していたところ、小型の蛾を発見。ナシイラガという蛾だそうです。
ナシイラガ ブログ用
チョウ目 イラガ科 ナシイラガ


●イラガ科について
 イラガ科に属する蛾は世界で約400属1000種ほどが発見され、日本にはイラガ、ナシイラガ、アカイラガ、アオイラガ、など約20種が生息しています。

 イラガ科の幼虫はカキノキやバラ科の植物を好み、体格は他の蛾の幼虫に比べると短く、平べったい形をしています。中には中央部が高く尖ったピラミッドのような形のものまで存在しています。また、無数の鋭く大きなトゲや細かいトゲが生えています。このトゲには毒があり、これに人が触れてしまうと、強い痛みがありその痛みは「ハチに刺されたような痛み」や「まるで体に電気が流れたような痛み」などと表現されています。これらのことからイラガ科の幼虫は、「ハチクマ」や「デンキムシ」とも呼ばれています。また、イラガは漢字では刺蛾と書き、いかにそのトゲや刺されたときの痛みが特徴的なのかが窺えます。植物の葉に食害をもたらすことや、棘に刺されると非常に痛いことから害虫として扱われています。

 自身が吐く糸によって丸いウズラの卵のような繭を造り、その中でサナギになるのですが、繭はカルシウムを多く含んでいるため非常に硬く、日本の昆虫が造る繭の中で最も硬いと言われています。中のサナギはタナゴ釣り用のエサとしても用いられるとのこと。

 成虫は体が太く、翅は広くて短く丸みを帯び、全体が厚い鱗粉に覆われています。幼虫のころに持っていた毒は無く、口が退化しているためエサもとることはありません。


●ナシイラガについて
 体長30~35mm。北海道、本州、四国、九州、対馬、屋久島などに生息。海外では中国、朝鮮半島、シベリアなどに生息しています。

 幼虫の体は短く平たい形をしており、体色は濃い緑色に背面と側面に輪になってつながった黒い線模様が入っています。また、頭部に2対、尾部に1対のオレンジ色をした大きなトゲが生えており、さらにそのトゲから無数の小さなトゲが生えています。このトゲは毒があり、触れると電気が走ったような痛みと炎症を起こします。

 エサはバラ科のサクラやナシ、ブナ科のクヌギ、クリ、ニレ科のヤナギ、マメ科のダイズなどの葉で、ある程度成長すると木の枝や樹皮に茶色と白色模様の硬い繭を造りその中でサナギになり、その状態で越冬します。

 成虫は7月~9月にかけて発生し、成虫の体は太く、翅は全体的に丸みを帯び、前翅は黄色と灰褐色、後翅は褐色で灰色の帯模様が入っています。毒はありません。


●まとめ 感想
 成虫の見た目は毒々しいので、幼虫と同じく毒を持っているかと思いきや、毒無しなのは意外な感じがしました。イラガは成虫と繭はよく見かけていたのですが、幼虫はまだ見たことがないのでいつか見てみたいです。


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興味があれば

次回は、モンキクロノメイガとプライヤキリバを紹介します。