近所の草むらで、奇妙な羽の蛾を発見しました。
ヒトツメカギバです。
チョウ目 カギバガ科 カギバガ亜科
●ヒトツメカギバについて
体長30~45mm。北海道、本州、四国、九州、対馬の平地から山地にかけて生息し、海外では朝鮮半島やロシア南東部、中国などにも生息しています。
幼虫はミズキやクマノミズキなどのミズキ科の植物の葉をエサにし、葉を丸めて自分の吐く糸でより合わせ、その中で生活します。見た目は全身に細かく短い毛の生えた毛虫で、体表は黄緑色か黄緑色をしており、茶色い頭部には2本の短く先の丸い角のような突起物があり、ネコやウサギのように見えます。また、尾にはカギバガ科の幼虫に多くみられる角のような短い突起物があります。成長すると葉の上で緑色のサナギになり羽化して成虫になります。
成虫は6月~7月、9月~10月の年に2回発生し、白地に黄土色の楕円形をした目玉のような模様と、灰色の帯模様が入った翅をしています。口が退化しているのかエサは食べません。オスよりもメスの方が若干大きな体をしています。秋に生まれた幼虫は、幼虫の姿で越冬します。
別の日、草むらでまた奇妙な羽の蛾を発見しました。
セスジナミシャクです。左にある物体はカタツムリの幼生です。
チョウ目 シャクガ科 ナミシャク亜科 セスジナミシャク
●セスジナミシャクについて
体長20~28mm。本州、四国、九州、対馬、屋久島の平地や低山地、高地などに生息しています。外国では朝鮮半島にも分布し、台湾には別亜種が分布しています。
幼虫は黄緑色や緑色をした尺取虫で、頭部と尾にある脚を使って移動し、アケビやミツバアケビなどのアケビ科の葉をエサにします。外敵の目を欺くため、体をまっすぐにして植物の枝や茎などに擬態しています。約25mmほどの長さに成長すると、緑色のサナギをつくり、羽化して成虫になります。
成虫は主に4月~6月、9月~10月の年2回出現しますが、高地では7月~8月に発生します。翅は黒地に白や茶褐色の線模様が入り、線が収束する前翅後方には大きな黄褐色の紋模様があります。この模様は外敵から襲われた際に、どこが急所なのかを分からなくしたり、攻撃をそらす効果があるそうです。ちなみに模様が薄い個体や、濃い個体などの差異があり、これは出現する季節によってのものなのか、それとも、何か別の理由があるのか、羽の模様に関しては未だ謎があります。
成虫は花の蜜をエサにし、秋ごろに出現した成虫から誕生した幼虫は、幼虫の姿で冬を越し、春になるとサナギになり成虫になります。
●まとめ 感想
ヒトツメカギバは葉の上に止まった際、白い羽なので目立ちはするものの、一見、鳥の糞のようにも見えるのである程度近づかなければ、それが蛾だとは気が付かないと思いました。セスジナミシャクも一見、枯れ葉の切れ端がくっついているだけのように見えたのですが、よく見て蛾だと分かりました。どちらも環境を利用し、上手く隠れている蛾だなー、と思いました。
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興味があれば


次回は、ルリシジミを紹介します。
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