2019年10月の写真です。

今までに見たことの無い、変わった模様の蛾を発見しました。

ウスギヌカギバという名前だそうです。
ウスギヌカギバ ブログ用
チョウ目 カギバガ科 カギバガ亜科 ウスギヌカギバ


●カギバガ科についてザックリと
 カギバガ科に属する蛾は世界で660種以上が発見され、オーストラリアと南アメリカを除く世界各地に分布しています。中でもアジアの熱帯から亜熱帯地方に数多くの種が見られ、日本には約70種が生息しているとされています。

 
 幼虫は毛がまばらに生えた細長いイモムシで、腹に4対の脚を持ち、尾には脚が無い代わりに、突起物を持った種が多いです。この突起物は種によっては、体の3分の1くらいの長さに達します。樹木の葉をエサにし、日中に活動、植物の葉の上で生活する種もいれば、巻いた葉や重ねて葉の間で生活する種もいます。

 成長すると自らが吐く糸を使って繭をつくりサナギになるのですが、数枚の葉を糸で繋げて葉の上でサナギになる種と、土の中に潜ってサナギになる種に分かれます。


 成虫は小型の種で15mm、大型の種で55mmほどで、大部分はその中間ぐらいの大きさをしています。細い体で翅が広く、多くの種の前翅の端が鋭く鉤状に突出していることから、カギバガという名がつけられたそうです。頭部の触角は櫛状で、口は短いか退化しています。一部を除いて夜行性なので、夜の外灯でよく姿を見ることができるそうです。


●ウスギヌカギバについて
ウスギヌカギバ ブログ用2

 ♂の体長25~36mm、♀の体長34~40mm。関東以南の本州、四国、九州、奄美大島の低山地や高山地の雑木林などに生息しています。また、中国と台湾、インドやミャンマーなどでは近縁種が生息しているそうです。


 幼虫は黒と茶色で細長く、体表にはまばらにトゲの様な毛が生えた毛虫で、尾の脚は退化しており、先端には短い角のような突起物があります。見た目は鳥の糞のように見えるので、これで捕食者の目を欺いているのではないかと思われます。エサはコナラやクヌギ、ミズナラなどのブナ科の樹木の葉です。成長すると自分の吐く糸で葉を丸めて、その中でサナギになります。

 
 成虫は体が細く、触角は櫛状になっています。翅は白い絹のような下地に、中央と前翅の後方付近から後翅にかけて黄色い帯模様が入っており、三又のような見た目になっています。この模様は天敵である鳥を目を欺くのに効果があるのではないかと言われています。夜行性なので、昼間は葉の上などでジッとし、夜になると積極的に活動します。口が退化しているのでエサは食べません。

 4月~5月、9月~10月の年に二回発生しますが、地域によっては年に三回発生することもあるそうです。秋に発生した成虫から生まれた個体は、幼虫の姿で越冬します。


●まとめ 感想
 それほど大きな蛾ではありませんが、模様が独特なのですぐに見つけることができました。羽の白い部分はとてもツルツルとした感じで綺麗で、黄色い部分は濡れたような質感をしていて、まるで、みたらし団子のたれでも塗ったような感じでした。シンプルな模様ですが、面白い羽をしているなと思いました


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興味があれば

次回は、クスサンとヒメウスアオシャクを紹介します。