2019年9月の写真です。

壁にぶら下がっている、不思議な生き物を発見しました。コウモリガという蛾です。
コウモリガ ブログ用
チョウ目 コウモリガ科 コウモリガ


●コウモリガ科についてザックリと
 コウモリガ科に属する蛾は、蛾の中では小さな規模の科で、世界で約300種ほどが発見され、大部分が南半球に生息しています。日本には8種が生息しており、森林地帯や雑木林などの樹木がある場所でよく見ることができます。

 
 幼虫は細長いイモムシで、雑草や樹木をエサにしています。樹木に穴を開けて中に侵入し、トンネルを造りその中で生活をするのですが、トンネルが作られた箇所は栄養や水分が巡らなくなってしまい、やがて枯れてしまいます。枝などならば幼虫を駆除して、トンネルのあるカ所を切るなどすればよいのですが、トンネルの数が多かったり、幹などの樹木にとって主要な部位にトンネルを造られてしまうと、たとえ幼虫を駆除してもその樹木が枯れてしまうことがあります。そのため、害虫として扱われている種類も存在します。成長した幼虫は樹木のトンネル内や土の中などで、繭を造ってサナギになり、やがて成虫になります。


 成虫は中型から大型で、前翅と後翅の形が等しく、翅脈数であるため、チョウ目の中で最も原始的な科の一つであると言われています。夕暮れ時に活発に飛び回る様子や、翅をたたみ、止まっている様子などがコウモリを連想させることからこの名がついたそうです。


●コウモリガについて
ブログ用 コウモリガ2

 体長♂45~91mm、♀69~126mm。北海道、本州、四国、九州の森林地帯などの樹木がある場所に生息しています。また、朝鮮半島やロシア南東部のアムール地方や沿岸地方、中国北東部もに生息しています。


 産卵は夏から秋にかけて、地上、もしくは飛行中に行われます。1度に約300個ほどが産み落とされ、メス1匹の総産卵数は3000個~10000個にもなるようです。卵は約0.4mmほどの黒い球体で、翌年の4月~5月ごろに孵化します。幼虫は黒褐色の大きな頭部を持ち、乳白色や薄黄色の体で、背中には黒いは斑紋入っています。

 
 孵化したばかりの幼虫はイネ科やヨモギなどの雑草をエサにするのですが、ある程度成長すると、今度は樹木をエサにするようになります。彼らのエサになる樹木はヤナギ、アカシア、スギ、キリなどですが、リンゴ、ナシ、ブドウ、クルミ、クリなどの果樹もエサにしてしまうため、農業害虫として駆除対象になっています。

 幼虫は樹木の幹や枝に穴を開けて侵入し、侵入した穴は木くずや糞を糸でくくり蓋をします。その後、樹木を食べながらトンネルを造るのですが、トンネル内部も木くずや糞などで埋めてしまうため、樹木に栄養や水分が巡らなくなってしまいます。成木の場合すぐには大事に至らないのですが、幼木の場合は衰弱してしまい、すぐに枯れてしまいます。幼虫の有効な予防法は未だ確立されておらず、幼虫を直接駆除するか、幼虫が発生しないように、こまめに雑草を刈るか、食害にあった樹木の処分か植え替えなどしか対策がないそうです。


 2~3年を幼虫の姿で過ごし50~80mmほどに成長すると、トンネル内で繭を造りサナギになり、8月~10月ごろに羽化して成虫になります。成虫の翅は黒褐色や赤褐色で、不規則な帯状の紋があり、所々に黒点があります。夜行性なので、日中は木の枝や葉に止まり身を潜め、日が落ちると活発に活動を始めます。成虫自体はエサを食べないので食害は無いのですが、飛行しながら小さな卵を産卵するので、幼虫と同じくらい厄介です。


●まとめ 感想
 見つけたときはコウモリみたいで面白い虫だと思ったのですが、幼虫が木を枯らしてしまうほどの害虫だったり、成虫のメスが3000~10000もの卵を産むことを知って、かなり驚きました。また、これまで紹介してきた蛾たちは幼虫の期間が数か月だったのに対し、この蛾は2~3年とかなり長い期間を幼虫の姿で過ごすようで、なぜ同じ蛾なのに、コウモリガはこんなにも長い間幼虫で過ごすのか疑問に思いました。


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次回は、テンクロアツバを紹介します。