公園の手すりで大きめのガを発見しました。

マイマイガのメスです。ガの下に見える茶色いものは卵です。どうやら産卵中のようでした。
マイマイガ ブログ用2
チョウ目 ドクガ科 マイマイガ属 マイマイガ


●ドクガ科についてザックリと
 ドクガ科に属するガは世界中に生息し、現在約2500種が発見され、日本にはその内の約50種が生息しています。ドクガ科の学名はLymantriidae(リマントリアイディ)と言います。一方、マイマイガ属もLymantria(リマントリア)というので、日本でいうドクガ科は、世界ではマイマイガ科というニュアンスでとらえられているそうです。

 ドクガ(毒蛾)という名ですが、実際に毒を持っている種はそれほど多くはないそうです。


 卵は植物などに産み付けられます。孵化した幼虫の体は背中がこぶ状に盛り上がり、黒や赤などの派手な配色に、全身がブラシのような毛で覆われた、所謂ケムシの姿をしています。

 背中の毛には毒針毛(どくしんもう)と呼ばれる、0.1~0.2mmほどの毒針を持った種もおり、この毒針毛はとても抜けやすく、ものに刺さりやすい構造をし、人の皮膚に付着すると、皮膚に刺さり、炎症を起こして痒みや発熱、嘔吐などの症状がでます。また、幼虫に直接触れなくても、幼虫に触れたペットに触れたり、風で舞った毛が付着したりすることもあるようです。もし触れてしまったならば、触れた部分にセロテープやガムテープを貼り付着した毒針を除去し、流水で時間をかけて洗い流しましょう。それでも症状が改善されない場合は、病院で薬を処方してもらいましょう。

 幼虫は樹木の葉をエサにするのですが、リンゴやカキなどの農作物や、サザンカやツバキなどの園芸植物の葉をエサにすることもあるため、害虫として扱われている種もいます。


 数度の脱皮を繰り返した後、葉の間や樹皮に繭をつくってサナギになるのですが、毒を持った種は、自分の毒針を混ぜて繭をつくるので、繭に触れても幼虫に触れた時と同じ症状が出ます。

 
 成虫は中型か大型な種が多く、オスとメスとでは体の色や模様、大きさに違いがある種が多いです。前脚を前に伸ばして止まる種が多く、口は退化してエサを食べません。成虫になっても毒針をもった種もおり、産卵後、卵に毒針を付着させ、外敵から守ります。


●マイマイガについて

別の場所でメスをもう一匹発見。こちらも産卵中でした。
マイマイガ♀ ブログ用

 オスの体長は45~55mm前後、メスの体長は80~90mm前後と、オスとメスで大きさと見た目に差があります。日本では北海道、本州、四国、九州の森林地帯などに生息し、世界でも熱帯や寒帯など様々な地域で生息しています。

 卵は葉や樹木などにまとまって産み付けられ、孵化した幼虫はケムシ型で、頭部に一対の縦長の黒い斑点があります。背面の頭部近くには5対の青い斑点があり、それ以降は斑点が赤くなります。生まれたばかりのころは毒針を持っているのですが、成長すると毒針が無くなります。糸を吐いて木からぶら下がっている様子をよく見かけることから、ブランコケムシと呼ばれることもあります。

 幼虫は約100~300種の針葉樹や広葉樹、草花をエサにすることができ、個体数の多さと食欲の旺盛さで、様々な樹木を食い荒らしてしまうため、森林害虫として扱われており「世界の侵略的外来種ワースト100」にも選定されています。

 
 数度の脱皮を経て6cmほどに成長すると、自分の糸で木の葉などを繋げて、繭をつくりサナギになります。7月~8月にかけて羽化し、オスの成虫は茶色で、メスの成虫は白く、オスよりも大きな体をしています。どちらも毒針は持たず、口が退化しています。メスはジッとしてあまり動かない一方、オスは活発に活動し、日中の森の中をひらひらと舞っています。このようなオスの性質から、和名のマイマイガという名がつけられたと言われています。

 秋になるとオスもメスも死んでしまい、残された卵が越冬し、春になると孵化して活動を始めます。

 
 約10年周期で大量発生することがあり、日本では明治時代の1882年に栃木県で大量発生し、次いで1883年には北海道で大量発生した記録が残っています。近年だと、1971年に京都、滋賀、和歌山で、1993年には大阪で、2013年には奈良と大阪で、2014年には長野、山形、岩手などで大量発生しています。

 しかし、なぜ定期的に大量発生しているかについては不明で、有効な対策法がありません。原産地のヨーロッパでは、寄生バチやウイルスなどの天敵がいるので、大量発生しても自然に収まるのですが、これらについてもよく分かっていません。


●まとめ 感想
 ケムシはよく見かけていたのですが、成虫はほとんど見たことがありませんでした。今回はメスの成虫しか見れませんでしたが、次はオスの個体も見たいです。オスはメスとは大きさも色も違うそうなので、遭遇しても同じ種類のガだと気が付かないかもしれませんが・・・

 定期的に大量発生することがわかっていても、そのメカニズムがわかっていないというのは、農家の人たちにとっては厄介以外の何物でもありませんね。それに、「世界の侵略的外来種ワースト100」にも選定されるほどの影響力を持っているのは、とても怖いですね。


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次回は、ムクゲを紹介します。