津久井城址から帰ってから数日後、今度はツツジの写真を撮ろうと近所を散歩していたら、この虫を発見しました。
クロアゲハです。(たぶん) 地面の水分を吸っていました。羽を開いた写真が撮れなかったのと、少しブレてしまったため、PIXTAへは投稿していません。
チョウ目 アゲハチョウ科 アゲハチョウ亜科 クロアゲハ
●アゲハチョウ科についてザックリと
アゲハチョウ科のチョウは熱帯を中心に南極大陸を除く世界各地に分布し、現在までに約600種が確認され、日本には20種が生息しています。
チョウ目の中で最も大型種の分類群で、幼虫が12cm、成虫が28cmと世界最大の大きさを誇るアレクサンドラトリバネアゲハというチョウが属している分類群です。
アゲハチョウ科の幼虫は、細長い円筒形の所謂イモムシの形で、濃い緑色や赤、黒などの毒々しい色をしています。これは捕食者である鳥などに「自分には毒があるぞ! 危険だぞ!」というアピールをしているのではないかと言われています。
ですが、見かけだけではなく、本当に毒を持った種も存在し、生物にとって有毒な物質であるアルカノイドを体内に蓄積させ、食べられないようにしているものもいます。
そして幼虫の最大の特徴は頭部から出てくる角です。この角は「臭角(しゅうかく)」と呼ばれ、普段は頭部内に収納しているのですが、危険などの外的刺激があると、頭部からこの角を出して威嚇します。
角は二股に分かれた半透明のゴムのような構造で、赤やオレンジ色などの派手な色をしていて、テルペノイドという物質を含んだ独特の臭いを発します。この臭いで敵を撃退します。
エサは植物の葉、一匹で枝の葉を全て食べてしまうほど食欲が旺盛です。
幼虫は数度の脱皮を繰り返し、サナギになります。サナギは体を支えるための帯糸(たいし)と、尾の部分を支える糸座(いとざ)があり、タテハチョウ科のサナギが体を逆さまにする、垂蛹(ようすい)なのに対し、アゲハチョウ科は逆さまにはならない、帯蛹(たいよう)という形態になります。
羽化した成虫は他のチョウ目と同じ体の造りをしていますが、大きな翅を持ち、赤、白、青、黄、黒など多彩な色彩をしています。他のチョウ目と同じように花の蜜をエサにしているのですが、水分補給のために、地面の水たまりや海岸などの水を吸うこともあります。植物の葉の上や裏に産卵します。
●クロアゲハについて
体長45~70mm。本州、四国、九州、沖縄の森林地帯や山地、時には街中でも姿を見ることができます。国外では中国、台湾、ヒマラヤに生息。
幼虫は数cm。あまり陽の当たらない場所を好み、ミカンやカラタチ、サンショウなどの植物の葉をエサにしています。
見た目は頭部がやや大きめのイモムシ型、色は葉の色と同じ黄緑色。所々に茶色い模様があり、頭部付近の左右には茶色や黒の丸い模様があり、まるで目のように見えます。これは天敵を威嚇するための模様ではないかと言われています。
また、アゲハチョウ科の幼虫らしく、頭部には赤い臭角を持っており、危険が迫るとこの角を出して敵を威嚇します。
数度の脱皮を繰り返して帯蛹形態のサナギになり、そのまま冬を越し、春になると羽化して成虫になります。
成虫の翅は表も裏も真っ黒で、後翅裏面の外縁には赤い斑点模様がいくつかあり、また、日本に生息しているものは後翅には尾状の突起があります。
春と夏に2~4回ほど発生し、春に発生する個体は夏に発生する個体よりも少し小型で、色が濃い目らしいです。
主に植物の花の蜜をエサにしているのですが、水溜まりや地面の水を吸うこともあります。
近縁種にカラスアゲハ、ジャコウアゲハ、オナガアゲハなどがいます。
●まとめ 感想
子供のころはよく、幼虫を見かけていたのですが、最近は見かけなくなりました。開発などの影響で数が減ったのかな? ですが、成虫の姿は以前と変わらず見かけるので、単に私が幼虫も見つけられないだけかもしれません。たまには幼虫も見たい・・・。
写真の場所ですが、4~5匹のクロアゲハがいて地面の水を吸っていました。ですが、近づいた途端、皆すぐにどこかへ飛び去ってしまいました。辛うじて残った一匹を撮影したのが上の写真になります。もう少し近づいて撮りたかったです・・・。次回機会があればリベンジします。
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興味があれば
次回は、ツツジを紹介します。
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