高月城を散策していると草むらから、ガサ、ガサガサ、という音が聞こえてきました。そしてその音はだんだんこちらに近づいてきます。はじめは鳥が歩いている音なのかとも思いましたが、なんだか違う感じがしました。ガサガサ音がすぐ横まで来たと思ったら、私の目の前にボトリ、という音を立て、細長いものが姿を現しました。ヘビかな?なんて思ったのですが、ヘビではなくこいつでした。


でかいミミズです。長さ約25cm、太さは1~1.5cmほど。私が知っているミミズの大きさとは大分かけ離れたものでした。ホントにミミズなのかと思い調べてみたのですが、フトミミズという分類に属する、れっきとしたミミズなんだそうです。
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環形動物門 貧毛類 フトミミズ科 イイヅカミミズ もしくは、オオフサミミズだと思われます。


●ミミズのついてザックリと
 ミミズの類の生物を貧毛類(ひんもうるい)と呼びます。森や畑や雑木林の土の中など、陸に住んでいるものや、池や沼、地下水などの水の中に住んでいるもの、温暖な気候に住んでいるものもいれば、高地などの寒冷地に住んでいるものなど、様々な場所で姿を見ることができます。主に腐葉土や落ち葉、腐敗有機物をエサにしています。世界で約1800種が発見され、日本には主にフトミミズ科、ツリミミズ科、ジュズイトミミズ科など500種ほどが生息していると言われていますが、分類も分布も曖昧で未だよくわかっていないそうです。
釣りエサ、爬虫類などのペットのエサ、漢方薬の原料、農地の土壌改良など、人間との結びつきが強い生き物です。

 ミミズの体は、骨格が無く、円筒状で細長く、体表に短い剛毛が生え、ヌメヌメとした質感になっていて、最先端部には口、最後端部には肛門がありますが、手足や目などは持っておらず、光を感知し、這って移動します。呼吸は皮膚を通じて行う、皮膚呼吸なんだそうです。体内に5つの血管を持っており、それぞれが別の働きをしているとのこと。傷を受けると血管から細胞を移動させることにより、すぐに傷を治すことができるみたいです。多くのミミズはオスの生殖器官とメスの生殖器官を併せ持つ雌雄同体で、幼生は小さい以外は親と同じ姿をしています。

●大きなミミズについて
 日本に生息している大きなミミズで、主だったものはイイヅカミミズ、オオフサミミズ、シーボルトミミズなどです。中でも日本固有種で中部地方以西の森林に生息している、シーボルトミミズは大きく、青紫の光沢があり、長さ25~40cm、太さ1.5cmにもなるそうで、日本最大のミミズと言われています。このミミズは、日本史の教科書にも載っているドイツの学者、シーボルトが持ち帰った標本によって記載されたことにちなんで名づけられたそうです。
 しかし、世界にはもっと大きなミミズも存在するそうで、2~3mを軽く超えるものや、南アフリカに生息する、ミクロカエトゥス・ラピという、長さ7m、太さ7.5cm、重さ30kgにもなるものが発見されたそうです。


●まとめ 感想
 こいつと遭遇したときは本当に驚きました。こんな大きなミミズが存在するなんて。高月城を見に行ったのに、城よりもこのミミズの方が印象に残ってしまいました。それにしてもなぜこのミミズは、2月の寒い時期に、しかも土の中から出て山道を這っていたのか? 寒さとか感じない生き物なんでしょうかね?

このミミズはその後、草むらの中へ消えていきました。引っ越しの途中だったのかな?
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次回は、冬でも活動する虫、フユエダシャクを紹介します。