2018年6月のNG写真
カゲロウ科のフタスジモンカゲロウです。(たぶん)
画像が鮮明ではない、という理由でNGでした。小さい上に細長いから、上手くピントが合ってなかったんだと思います。

カゲロウ
カゲロウ目 カゲロウ科 フタスジモンカゲロウの成虫(たぶん)

カゲロウについてザックリと
 漢字では蜉蝣、陽炎などとも書きます。江戸時代以前は蜻蛉と書き、トンボと同じ生き物、もしくはトンボの別の呼び名として認識されていたようです。現在ではカゲロウとトンボは、別の種類の昆虫に分類されています。また、カゲロウが多く見られる年は、豊作になるという言い伝えがあり、豊年虫と呼ぶ地域もあるそうです。世界で約2100種が発見され、日本には約100種類が生息しているそうです。
 
 この虫は幼虫のころは、水中で生活し、川の比較的綺麗な流域に生息していますが、湖や沼、池などに生息する種もいるらしいです。主に水中のプランクトンや藻類などのを食べているとのこと。体は成虫に比べて硬く、体肢ともに扁平で、腹部背面に7対の葉状の鰓があり、腹端に2~3本の尾があります。かなりたくさんの脱皮をするらしく、普通でも10回以上、多いときは40回以上脱皮するとのこと。そうして脱皮を何度も繰り返し、約1年ほどすると幼虫は、水辺にある石や葉の上に乗り、脱皮をして亜成虫(あせいちゅう)と呼ばれる姿になります。
 この姿は、成虫と同じ姿なのですが、体の一部がまだ未完成の状態なので、生殖活動を行うことはできません。亜成虫の状態で数日間過ごした後、最後の脱皮を行い完全な成虫になります。チョウやカブトムシなどとは違い、サナギにならないため不完全変態の昆虫です。
 
 成虫は幼虫に比べて体が細く、触角は短糸状、頭は3個の単眼と1対の複眼、口がありますが、口は退化してしまっていて、ほとんど使えず、液体を飲む程度しかできないそうです。胸部には2枚の翅があり、止まるときは翅を背中に合わせて立てます。腹部には2~3本の尾があります。肢体は幼虫に比べて華奢で、細長くなっています。体の構造が原始的で、トンボ類と同様に大昔から地球上に存在していた昆虫です。約3億年前のものと思われる地層から化石が発見されているそうです。
 成虫になった後は、河原などの水辺を急上昇と急降下を繰り返す独特の飛び方をしながら、交尾相手を探します。相手を見つけ交尾後、メスは水中や水辺近くの石などに約0.2mmほどの大きさの卵を500~1000個ほど産みます。成虫は生殖しか行わず、寿命は2~3日ほど、短いものでは数時間しか生きられない種もいるほどの短命です。
 この短命なところから、人の一生が短くはかないことの意として、【蜉蝣の命】(かげろうのいのち)ということわざができたそうです。外国でも、チラシやパンフレットなどの一時期しか使われないものや、長期的に使うことを目的としていないものを、エフェメラ(ギリシャ語でカゲロウの意)と呼んだり、ドイツ語でも一発屋のことをEitagsfliege(アインタークスフリーゲ カゲロウの意)と呼んだりなど、世界的に、はかないものの代表として認識されています。
 ちなみに、ウスバカゲロウやクサカゲロウなどの種とは別種で、彼らはウスバカゲロウ科の昆虫に分類されるそうです。水中に住むカゲロウ科の幼虫と違い、ウスバカゲロウ科の幼虫は陸で生活しています。所謂アリジゴクと呼ばれる虫のことです。2~3年で成虫になり、成虫はカゲロウ科に比べて長く、約1か月ほどらしいです。

フタスジモンカゲロウについて
 写真のフタスジモンカゲロウですが、体長約7mmほど、北海道、本州、四国、九州の日本全国に分布していて、5~10月に山地の渓流で成虫を見られます。成虫は透明な翅をしていて、腹部には体節ごとに斜めの黒い紋があり、尾が3本あります。幼虫の姿で10か月ほど生きますが、成虫になるとやはり短命で、約1日で死んでしまうとのことです。

●まとめ
 カゲロウが短命だというのは知っていましたが、ここまで短命だとは思っていませんでした。しかし、成虫がいかに短命でも、幼虫のころに結構長い間生きているので、それほど短命でかわいそうな生き物ではないと思います。幼虫のころに、そこそこの時間を過ごして、成虫になるとすぐに死んでしまうという様子は、セミと似ているなと思いました。でも、セミは成虫の姿で、1週間から長くて1か月ほど生きるので、カゲロウほど短命ではないですよね。なんでカゲロウの成虫はここまでの短命に進化したのでしょうか? 1週間ぐらい生きていてもバチは当たらないでしょうに


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次回は、2018年6月NG写真 ジンガサハムシを紹介します。