2017年11月NG写真 カシワキボシキリガです。(たぶん)

NG理由:ピントが合ってない。明るさが適切ではない。
夕方に撮ったのと、この虫の大きさが小さかったのが原因だと考えられます。
カシワキボシキリガ
 チョウ目 ヤガ科 ヨトウガ亜科 カシワキボシキリガ(たぶん)

 この虫はカシワキボシキリガという蛾(たぶん)なのですが、分類はチョウ目となっていました。「なんでガなのにチョウなの? そもそもチョウとガって似たような見た目と体のつくりしてるけど何が違うの?」と思ったので、まずはチョウとガの違いについて調べてみました。

チョウとガについてザックリと
 チョウとガに共通する主な特徴
①羽や体が鱗粉という小さなうろこ状の付属物でおおわれている。
②体よりも羽が大きくその羽は様々な色や模様をしている。
③体は細長い円筒形で比較的柔らかい。
④幼虫は植物の葉を食べ、口は食べ物を噛み砕いて食べる咀嚼型、成虫は花の蜜や樹液、果汁などを食べ、口は液体を吸うストロー型。
⑤卵→幼虫→サナギ→成虫という完全変態を行う。
 などが挙げられます。
 
 要するに身体的特徴や生活様式は同じです。では、チョウとガの区別や差はどこにあるのかいうと・・・なんと、特に無く曖昧で、本質的には同じ種類の昆虫なんだそうです。

なぜそうなったのかザックリと
 まず、上に挙げた特徴を持つ昆虫をチョウ目(鱗翅目 りんしもく)とし、それを約20の分類に分けました。その中で昼行性であり、休息時に羽を垂直に立てるか、水平に開くかする特徴を持った、アゲハチョウ上科、セセリチョウ上科、シャクガモドキ上科に分類される昆虫たちをチョウとしました。そして、それ以外をガと分類しました。しかし、ガに分類される昆虫の中にも、チョウと同じ羽の開き方やたたみ方を持つものや、昼夜関係なく活動するものなどがいるため、チョウの特徴を定義することができても、ガの特徴をはっきりと定義することが難しく、曖昧な感じになったそうです。
 約20の分類のうち、チョウと呼ばれるのはわずか3科で残りは全てガ科なので、チョウよりもガの方が圧倒的に数が多く、ガはチョウ目の約95パーセントを占めているそうです。それもあってか、ガ目とも呼ばれるそうです。つまり、チョウはガという昆虫の一種であるとも言えますね。

 チョウと聞くと、アゲハチョウやモルフォチョウのような綺麗なもの、モンシロチョウやシジミチョウのような可愛らしいもの、また、他の昆虫たちよりも人々に好かれているというイメージがありました。一方ガと聞くと、見た目は地味で、なんかチョウのパクリでハズレの虫というイメージを持っていましたが、実は同じ種類だとは思いませんでした。ガの中にもチョウに負けないぐらい綺麗なものや、面白い生態を持ったものがいるらしいので、今後出会えたらなー、なんて思いました。

 さて、遅くなりましたが、カシワキボシキリガの紹介です。このガは体長32~37mm、北海道、本州、四国、九州に生息しており、春に卵が孵化、幼虫はコナラやクヌギなどの葉を食べます。秋になると成虫になり、樹液や果汁を食べます。そして冬になると森の木の皮の裏や、落ち葉の中などに隠れて越冬するそうです。春になると産卵して世代交代を行います。
 幼虫はどこにも載っていなかったので、どんな見た目なのかわかりませんが、成虫は、全体的に白っぽい灰色をしていて、ところどころに黒い模様が入っていたり、少し緑色(?)が入っていたりします。言ってしまうとかなり地味な見た目をしています。しかし、この見た目を生かし、木の皮や落ち葉、石などの保護色効果の強い場所を選んで潜むらしいです。外敵から身を隠すには地味な見た目の方が隠れやすいですよね。この写真では、保護色効果の弱い場所に止まっているため見つけることができましたが、これがもし、枯れ葉や石に止まっていても私は絶対に気が付かないと思います。今までもすぐ近くにいながら、保護色や擬態に気がつけなかった虫たちがたくさんいたのかもしれないなー、と思いました。今後はそういった虫たちも見逃さず撮っていけたらいいですね

興味があれば
   

     

次回は、2017年12月の投稿です。