椚田遺跡公園(くぬぎだいせきこうえん)について紹介します。


場所はココ


 椚田遺跡は、昭和50年(1975年)に東京都八王子市椚田町での区画整理中に発見された遺跡群で、縄文時代中期(約4500年前)~古墳時代(約1300年前)の集落跡が3層になっており、一番上の層は古墳時代の住居跡があり、その下の層には縄文時代中期後半の住居跡が、その下の層には縄文時代中期の中ごろから後半の住居跡が発見された、複合遺跡です。約270軒の住居跡が土の下に埋まっていると考えられ、そのうち発掘されたのは45軒です。長期にわたって人が住み続けたようで、多くの住居跡が重複した状態で発見されており、また、建て替えたような跡や増築したような跡も発見されました。公園になっている部分は、遺跡群のほんの一部分で、縄文時代中期の典型的な3軒の住居跡と集落跡です。
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 写真の一番手前にある遺構が、敷石住居跡で奥の2つが竪穴式住居跡です。いずれも縄文時代の代表的な建築様式です。石やコンクリートなどを使って、形が崩れないように固めて保存されています。(小石やら砂やら小枝やらがいっぱい入り込んでましたが・・・)

住んでいた人たちの生活
 この遺跡の集落の家々は、広場を中心にして輪を描くように建てられていました。広場では、共同の作業や祭りや儀式のようなことを行っていた集落にとって重要なコミュニティ施設(今で言うところの公民館や寄合所みたいな感じかな?)であったと考えられています。また、時には死者の埋葬も行われていたと見られ、この時代の人々は死後の世界と、とても近い生活をしていたことがわかります。


食事など
 この遺跡からは、土器や石で作った矢じりなどの石器が多く出土しました。土器は食料の保存や煮炊きに使われ、石器は土を掘るために使われたと思われる物や、狩りで獲物を仕留めるために使われた物、仕留めた獲物を皮や肉に解体するための物、獲物の皮を加工するための物、食料を調理するための物などが出土しました。ちなみに出土した遺物たちは、八王子市の郷土資料館にあるので、興味のある方はそちらにも足を運んでみてはいかがでしょうか。  
 彼らは、周囲に生えているドングリやクリ、クルミなどの木の実を採取したり、イノシシやウサギ、シカなどを狩ったりして食べていたそうです。そのこともあってか、遺跡公園内には縄文時代に多くみられたとされる木々や草が植えられ、「縄文の林」「縄文の草地」と名付けられた一角があります。


公園としての椚田遺跡
 1975年に発見されたこの遺跡ですが、縄文時代中期の集落跡として保存状態が非常に良かったため、1978年に国の史跡に指定されました。そして1990年公園として整備され、椚田遺跡公園ができました。公園ではあるものの、遊具は無く、公園の中央が芝生の広場になっており、北西側に遺構と遺構についての解説板が、東側に「縄文の林」が、南側に遺跡についての解説板と土を盛った岡があります。
 よく近所のお年寄りたちが散歩やおしゃべりを楽しんでいたり、子供たちが中央の広場で元気に走り回ったり、サッカーなどのボール遊びをしています。実はこの公園は、私の自宅から徒歩で行けるほどの近場にあったのですが、何年もの間、その存在に気づくことがありませんでした。用事で出かけた帰りに偶然発見しました。まさか自宅のすぐ近くに遺跡があるなんて思ってもいませんでした。調べてみると近場には、いくつかの遺跡があるみたいなので今度行ってみようかと思うのでした。
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史跡であることを示す石碑です。

興味があれば
     

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