2017年6月の投稿結果の前に八王子城と城の分類についてザックリと解説します。

八王子城跡 

八王子城について
 八王子城は東京都八王子市にある、後北条氏の支城であり、1571年北条氏康の三男、氏照によってに築城されました。彼は当初は滝山城にいましたが、1569年に甲斐の武田信玄からの攻撃を受けます。(現在の廿里古戦場 とどりこせんじょう)戦いの結果、これをなんとか凌いだのですが、この戦いにより滝山城の防衛に限界を感じてこの城に移りました。
 このお城は標高445メートル、比高約240メートルの深沢山(現在は城山と呼ばれています。)に築城された中世山城です。安土城を参考に周囲を石垣で固めた造りをしていて、尾根と堀切を利用した防御施設を完備したとても守りの堅い城でした。

城には大きく分けて3パターンあるのですが、ここでざっくりと紹介します。(絵下手でごめんなさい)

パターン1【山城】(やまじろ) 
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 山城は、その名の通り山のに建てられた城です。戦の多かった戦国時代に多く築城されました。八王子城はこのタイプの城です。織田信長が築城した安土城、上杉謙信が築城した春日山城などもこれにあたります。ちなみに、岡山の備中高松城、奈良県の高取城、岐阜の岩村城を日本三大山城というそうです。(これは私知らなかったです。)
●利点
 山の地形を余すところ無く生かすことができるため、城だけではなく山全体を防衛拠点にすることができます。これにより、戦時には城主や家臣だけではなく近隣の領民たちも安全な場所に避難させることができます。また、獣道などの人目につかない道や地元の人しか知らないような道を使うことにより、敵の包囲の目を掻い潜って補給路を確保することができます。
 一方、攻める側は道が細く険しいので馬を使うことができません。そのため、重い刀や槍、鎧兜を装備しながら徒歩で山に登らなくてはいけませし、途中で休憩しようものなら、あっという間に城兵に発見されて攻撃を受けてしまうでしょう。ひとたび籠城でもされてしまったら、3倍以上の兵力を用意してごり押しして攻めるか、城の食料が尽きるのを待つ兵糧攻めをするぐらいしか攻め落とす方法がありません。まさに鉄壁の守りを備えた、戦うのに最も適した城だといえます。

●欠点
 山にあるため、城主や家臣たちの食料や日用品を一々山に登って届けなくてはいけませんので、戦時以外の日常生活はかなり不便です。また、同じ理由から城の材料を運ぶのが大変であるため、造りが質素になってしまいます。そのため八王子城は戦時以外ではあまり使われず、城主や家臣たちは山の麓で生活をしていました。(絵の赤字で囲われた部分)しかし、それでも山城に住む城主はいたそうです。(春日山城の上杉謙信など)
 戦時においては、先ほども述べてように物資を運ぶのが難しいので、普段から食料を備蓄しておかなくてはならず、また補給路を敵に押さえられたしまったら、あとは飢えるのを待つだけになってしまいます。防御施設としては完璧ですが、補給が難しいという点に関しては大きな欠点だと言えます。
 また、領民たちを避難させる際も、足腰の弱い小さな子供や老人たちには登ることができず、避難することが難しいといえます。


次は平城(ひらじろ)
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 平城は山ではなく、平地に築城された城です。戦の無くなった、安土桃山・江戸時代に多く築城されました。徳川家康が築城した京都の二条城、豊臣秀吉が築城した京都の聚楽第、毛利輝元が築城した広島の広島城などがこのタイプの城です。
●利点
 先ほどの山城とは逆に平地にあるため城主や家臣たちが城で生活することができ、城の周りに人が住み、物が集まりやがて城下町ができ、この場所が政治と経済の中心となります。物資の補給は当然楽になります。これにより、城の材料も容易に手に入ることができるため、城の外装をより豪華で美しく大きくすることができます。これには大きな意味があり城を豪華にすることによって、城主の権威や力を町全体に示すことができ、より城主の支配力を強めることができます。戦うための城というよりは、住むための、見せるための城といった感じでしょうか

●欠点
 単なる平地なので人や騎馬兵に簡単に城の近くまで入り込まれてしまいますし、城を包囲するのも簡単で、補給路も簡単に押さえられてしまいます。山城では兵糧攻めのみでしたがそれに加え、水攻めなんかもされてしまいます。それでも周囲の壁を高くしたり、深い堀を周囲に掘ったり、その堀に水を入れて城と通じる何カ所かに橋を架けてその橋のみを守ればいいようにしたり、土塁を積んだりなどの工夫ができますが、やはり山城に比べると防御力は格段に劣ってしまいます。


最後は平山城(ひらやまじろ)
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 平山城は、平野にある低い山や丘陵地に築城された城のことです。室町時代に赤松氏によって築城された兵庫県の姫路城、太田道灌によって築城された江戸城、豊臣秀吉によって築城された大阪の大坂城などがこのタイプの城です。以前に紹介した滝山城もこれにあたります。
 このタイプの城は、先の2タイプの城のいいとこどりをした城です。それほど高い場所にあるわけではないので、城主が住むことができますし、また周囲には城下町を形成することもできます。しかし、山城ほど高くはないため山城ほどの防御力はありません。そのため平城と同様に周囲の壁を高くしたり、深い堀を周囲に掘ったり、土塁を積んだりなどの工夫が必要になります。

 以上が八王子城と城の分類のざっくりとした解説になります。

興味があれば
    

     

次回は、八王子城の最後と、現在の八王子城についてです。